【体と心の成長過程を学んで、しつけに役立てよう】トイプードル・ティーカッププードルのブリーダー【ポッシュ】

【トイ・プードルの成長過程を知ろう】

トイ・プートルはどんなふうに成長していくの?体と心、両方の変化を追います。なお、成長の早さには個体差があるので、ここで紹介する成長例は目安と考えてください。

[子犬期]

[生後2カ月齢ごろまで(人間の2歳ごろまで)]

<しっかり立って歩けるようになり、簡単な感情表現もできるように>

生まれた直後は目も見えず、耳も聞こえませんが、生後14日ごろから目が開き始め、うっすらと見えるようになります。1カ月も経つと、乳歯が生え始めて離乳期に入り、自力で排泄ができるようになります。2カ月ごろには、しっかりと立って歩き、子犬用のフードもモリモリ食べられるように。母犬からの免疫力が弱まってくるので、この時期に1回目のワクチン接種(生後50~60日)を欠かさず行います。

日々の成長の中で、わずかな感情も表し始めます。ごはんが出されると喜んだり、大きな物音を怖がったり……。時にはきょうだいゲンカをすることも。そして、いろいろな物にも少しずつ興味を示し始めます。

[生後2~4カ月齢ごろ(人間の2~8歳ごろ)]

<好奇心が旺盛なので、いろいろな刺激に慣らすチャンス!>

生後70~100日ごろに、2、3回目のワクチン接種と狂犬病の予防接種を受けたら、まもなく本格的な散歩に出かけられるようになります。この時期は警戒心よりも好奇心のほうが強いので、新しく目に触れるありとあらゆる物に対して興味を示すように。社会化に適した時期なので、このタイミングで、いろいろな刺激に慣れさせるといいでしょう。

外を歩けるようになることで動きが活発になる反面、イタズラが増えるかも……。誤食やケガなどをしやすいやんちゃな盛りなので、愛犬の行動からは一時も目を離さないよう、気を配りましょう。

体の変化としては乳歯が生え揃うので、ドライフードをはじめ、食べられる物の種類が広がっていきます。

[生後4~7カ月齢ごろ(人間の8~13歳ごろ)]

<警戒心が強まり、好き嫌いも表すように>

乳歯から永久歯に生え変わるこの時期は、いろいろな物を噛みたがるので、防止策はぬかりなく。

心の変化としては、旺盛だった好奇心が引っ込み、代わりに警戒心が強く芽生えます。好き嫌いも出始めるので、これまで問題なく接していた物や人、犬などに突如警戒心を表すこともあります。

[生後7~8カ月齢ごろ(人間の13~15歳ごろ)]

<生殖機能が完成。飼い主さんに反抗的に見える態度を表すことも…>

体の生殖機能が完成する時期で、メスは初発情を迎えて出血が見られるように、オスは縄張りを主張するためにマーキング行動を見せるようになります。避妊・去勢手術を受けるならこの頃がベター。

体も大きくなることで、新たなことを試そうとして、ときにそれが反抗的な態度に映ることもありますが、動揺せずに変わらぬ対応を心がけて。

頻繁にアイコンタクトをとったり、ごはんや遊びの前に「スワレ」をさせるなどして、信頼関係を深めることに努めましょう。

[子犬期]

[生後8~12カ月齢ごろ(人間の15~17歳ごろ)]

<体は大人の大きさに成長しても、心はまだまだ子ども>

体の大きさはほぼ成犬サイズにまで成長するので、フードも子犬用から成犬用に切り替えます。ただし、欲しがるままに食べ物を与えていると太り始めるので、肥満には注意しましょう。被毛も大人の毛に生え変わるころで、毛色もようやく落ち着きます。

体は大人に近づいても、心はまだまだ子どものまま。人間でいう15~17歳を想像してみてください。頭がいいトイ・プードルは甘え上手です。かわいいあまり、愛犬の思うがままにさせてしまうと、おねだりグセや吠えグセなど、困った行動が生じてしまいます。そうならないためにも、4カ月くらいから「マテ」を教え、抑制を覚えさせることが大切なのです。

[成犬期]

[1~7歳ごろ(人間の17~44歳ごろ)]

<体力が充実してもっとも元気なとき。心には大人のゆとりも>

体の成長が一段落し、1~7歳くらいまではもっとも健康的に元気に過ごせるとき。ただし、病気予防のために、年1回のワクチンと狂犬病の予防接種は必ず受けましょう。

一方心の変化をみると、1歳を過ぎるころから大人の落ち着きと余裕が感じられるように。飼い主さんの合図のいくつかは理解できるようになり、聞き分けがよくなります。

[シニア期]

[7~10歳ごろ(人間の44~56歳ごろ)]

<見た目は元気でも、運動量や筋肉量が少しずつ低下>

7歳を過ぎるころになると、運動量や筋肉量が徐々に低下していきます。見た目には変わらず元気でも、体の内側から少しずつ老化は始まっています。

また、人間同様、生活習慣病も潜む時期なので、食事内容にはいっそう気をつけ、健康チェックもさらにしっかりと行いましょう。

心は穏やかになる傾向にありますが、老化防止のためにも、新しい遊びを取り入れるなどして、新鮮な刺激を与えてあげるといいですね。

[10歳ごろ~(人間の56歳ごろ~)]

<行動がゆっくりになり、さまざまな老化現象も表れます>

高齢化していくにつれ、散歩中に立ち止まったり、階段の上り下りを嫌がったりするなど、行動が緩慢になり、体力の衰えを感じるように。寝ている時間も少しずつ増えていきます。基礎代謝も下がってくるので、成犬期よりは食事量を減らし、シニア用のフードに切り替えるといいでしょう。歯が弱くなったら、フードをふやかすなど、食べやすい工夫も施して。筋肉や骨が衰えないよう、疲れない程度の散歩は日課にしたいものです。

視力が弱くなって物にぶつかったり、耳が遠くなって反応が鈍くなったりもするので、安全のため生活環境の見直しも必要でしょう。年をとっても嗅覚は健在のことが多いので、飼い主さんのニオイを身近に感じられれば、リラックスして過ごせるはずです。

[トイ・プードルの年齢を人の年齢に照らし合わせると…]

<小・中型犬の年齢(生後)> <人の年齢に換算すると…>

1歳 17歳

2歳 24歳

3歳 28歳

4歳 32歳

5歳 36歳

6歳 40歳

7歳 44歳

8歳 48歳

9歳 52歳

10歳 56歳

12歳 64歳

15歳 76歳

18歳 88歳

20歳 96歳

<3年目以降は、人の4倍のスピードで成長します>

「ドッグイヤー」という言葉もあるように、犬は人よりも早いスピードで年を重ねていきます。生後1年で17歳、2年で24歳、3年目以降は1年につき、人の4歳分ずつ年をとっていきます。人よりも短い一生の愛犬なので、いっしょの時間を大切に過ごしましょう。